山の暮らしとごはん

山菜そば

梅雨入り最中。
「こしあぶら。芽がでてましたよ。」
おばあちゃんのかけ声に耳をやる。
この地にお嫁にきて、70年位は経つのだろうか。
歳のせいか、いろんな事を忘れてしまったりするけれど、美味しいものへの嗅覚は野生の動物達よりも鋭いのではないかと思う。
名前は忘れたけどこれは食べれるといっては、山中から美味しいものをかき集めてくるのだ。
早速、山に入るとフキに入り混じり、ミョウガの新芽が出ていた。ミョウガは夏になると腰くらいまで丈を伸ばし、その根元に実をつける。

切っても切っても必ず毎年新しい芽をだす。
今年も楽しみだ。
ミョウガの生えてくる付近に「こしあぶら」の木がある。
「あったあった‼︎」
三つ葉も一緒に摘んで、お昼は天ぷらそばにしよう。


《今日のお昼ごはん》
✴︎こしあぶら と 三つ葉の山菜天ぷらそば
✴︎スナップエンドウの島コショウ炒め
今回は、ストックしておくととっても便利な「本がえし」のレシピをご紹介します。

# 05 山菜そば
『本がえし のレシピ』
材料
濃口しょうゆ ・・・ 100ml
本みりん ・・・ 25m
砂糖・・・20g
砂糖 → マーサイン糖、三温糖やざらめを使うと風味がよくなる。
〈作り方〉
1. 鍋にみりんを入れ、軽く沸騰させる。
2. 砂糖を入れよくとかす。
3. しょうゆを入れ、沸騰する前に火を止める。
4. 完全に冷まし、清潔な容器(便など)に移し替え1週間程冷蔵庫で寝かす。(空気に触れ熟成させる為に、さらしなどで蓋をする)
5. 完成したら、さらしを外し密閉できる蓋に変える。
<麺つゆとして使いたい時>
つけつゆ → かえし1 : 出汁3〜4
かけつゆ → かえし1 :出汁7〜10
他にも、炒め物や煮物などにも。
そばを茹でている間。
ストックしていた「かえし」と出汁でつゆをつくり、山菜の天ぷらを揚げる。
朝に摘んで下ごしらえをしておいたスナップエンドウを塩と島コショウで炒める。



実にシンプルで美味しいのだ。
山菜の香りと野菜の旨味をゆっくりと堪能する。

「ごちそうさまでした。」

Writer

 

【 NINO 】            

フードディレクション 〈食・農・暮らし〉自然の美しさを生かした食の提案。foodstyling、catering、料理教室など。 まるしん農園コンセプターとして食と自然を楽しむ体験イベント企画運営。

【 まるしん農園 】          

海と山に囲まれた大磯町で循環型農業を営んでいます。 循環・ご縁・美味しい・安心・楽しいを大切に日々実験中。